Xeon W5590は本当に速いのか?

いま、Xeon 5500系の最高峰であるXeon W5590×Dualのマシンはいくらでしょう?
Dell Precision T5500でOSなし(linuxモデル)で、W5590×Dual + 12GBメモリを選択すると786,135円だそうです。


コンピュータ将棋大会用のマシンとして個人で手が届く範囲なのはこのへんまでだと思います。次のCPUが発売されればすぐに値段は下がるのでしょうが、そうなればそうなったで大会参加のためには新しいCPUが欲しくなりますよね。


ところで、Xeon W5590は本当に速いのでしょうか?


Xeon 5500シリーズはCore i7 975 Extremeとほぼ同じアーキテクチャでかつ同クロックなので、1CPUとして見たときは、Core i7 975 ExtremeとXeon W5590とでは同程度の性能のようです。Core i7 Extremeなら、20万ぐらいで買いそろえられますが、Xeon×Dualですと(Dualなので本来はその金額の2倍程度に収まって欲しいのですが)その4倍程度の金額になります。コストパフォーマンスが非常に悪いです。


例えば、Xeon W5590 x2 搭載ワークステーション "HP Z800" デモ中!(→ http://www.pcserver1.jp/blog/40/20091014/2 )によりますと、CINEBENCH10のスコアがXeon W5590で、8コアだと32296。Core i7/975で4コアで16397。1コア当たりだとほぼ同じスコアですね。


そう考えると、学習(棋譜からのパラメータの学習)に使うなら、学習部分がもしマシン並列化できているならば、予算内で、もっとコストパフォーマンスの良いマシンを探したほうが良いと思います。


学習に使うためのマシン性能を評価するには、CINEBENCHの値(→ http://www.3dfluff.com/mash/cinebench/top.php )の値が結構参考になると思います。この表のうち、CB_singleのところが1コア時で、CB_Dualは、複数コア時です。


Bonanzaのパラメータ学習がXeon Harpertownで1ヶ月(→ http://d.hatena.ne.jp/LS3600/20091130#p1 )という話がありましたが、 Core 2 Quad Q9400 (2.66GHz) あたりであれば5万円ぐらいで買えるので、これが2台ぐらいでもちょうど同じぐらいの期間で終わるのではないかと思います。20万円出して4台買えば2週間。40万円出して8台買えば1週間。…で終わるのかな…。