2011-01-01から1年間の記事一覧
USIに文句を言うだけ言う http://d.hatena.ne.jp/merom686/20111217 まあ、USIプロトコルがいろいろアレであることは、いまさら言うまでもないことなのですが、なぜこんなプロトコルがコンピューター将棋の標準になっているかと言うと、将棋所という素晴らし…
めちゃんこすんごいろんぶんのしたがき著者 : LS3600 & ひよこ ■ 概要指し手のオーダリングを行なうために、生成した指し手に対して何らかの手法で点数をつけて、その点数によってソートしなければならない。これをオーダリングと呼ぶ。本提案は、このオーダ…
将棋では連続王手の千日手は王手をしている側が負けです。だからと言って連続王手のループを見つけた時点で攻め方の負けと判断したのではGHI問題を引き起します。さて、いま、定跡を自動構築することを考えます。ここで言う定跡とはプロ棋士の棋譜の何手目ま…
GPWSで発表された田中哲郎先生の「入玉指向の将棋プログラムの作成」について思うところがありまして、以下にだらだらと書いておきます。なお、本論文は以下のURLから読めるようです。https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action…
昨日の記事に対して将棋所の作者様から直々にコメントをいただいたのでお答えします。 相手の正確な残り時間がわからないということですが、そもそも何のために知りたいのでしょうか。相手の残り時間を知って、それをどういうふうに使うのか、少し考えてみま…
将棋所のponderについて http://d.hatena.ne.jp/hiyokoshogi/20111027/1319696413 私が思うに、ponderhitが送られてきたときに持ち時間情報が付与されていないのとかどうなんでしょう。自分の持ち時間はgo ponderのときに送られてきているのを保存しておけっ…
■ はじめにBonanzaの指し手生成/合法手判定は結構ややこしく、ややこしい原因は将棋用語にいくつかの用語が不足しているからなのですが、ここではその不足している用語を新たに定義しながら、自分自身のためのメモを書き残しておきます。自分用のメモですの…
Bonanzaの3駒関係ですが、このパラメーターを棋譜から学習させたこと、すなわちボナメソがコンピューター将棋のブレークスルーであるように言われていますが、まあ、実際にもBonanzaに関してはその通りなのですが、私は、それより3駒関係という評価関数とい…
それでは、make_moveでいつ駒割が変動するか考えてみましょう。 指し手を大別すると次の4つに分類されます。1. 駒を取らない、成らない移動 2. 駒を取らない、成る移動 3. 駒を取る、成らない移動 4. 駒を取る、成る移動 1.は駒割は変動しません。 2.は、成…
p_value , p_value_ex , p_value_pmについて一通り説明が終わったところで、これらの変数がどう使われているかについて見ていきましょう。基本的には、盤面初期化(CSA形式のファイルを読み込んだときや、平手盤面で初期化したときなど)に、ini_game関数(debu…
p_value,p_value_exの解説は終わりまして、今回はp_value_pmという配列についての解説です。だいたい、Cで書かれたプログラムというのは、型がどれもこれもintになっていたりして、型を見ても何をする変数なのかさっぱりわからないのが実情なんですよね。じ…
p_valueに関しては、そこから派生する2つの配列があります。p_value_exとp_value_pmです。p_value_exは、p_valueの値を2倍したものです。歩を相手に取られたときには、p_value_ex[pawn]分だけ駒割のスコアが変動します。「自分の駒を失った損」+「相手がその…
Bonanzaで駒割を計算するときの、駒の価値はどこに書かれているのかというのは、簡単なようで少しトリッキーです。今回はこの問題について説明します。 まず、駒自体の価値は、param.hでdefineされています。 #define DPawn 87 /* 174 */ #define DLance 232…
私は最近何をしているかと言うと…正直、あまりコンピューター将棋の開発はやっていないのですが、まあビールを飲みながらテレビで野球観戦をするような程度の軽いノリでソースコードをいじくりまわして、ああだこうだ言いながら鑑賞(?)するのが趣味です。 最…
さて、今回からはCSAファイルの書き出し部について解説していきます。 と言っても、「CSAファイルの書き出し」の記事は誰も期待してませんよね。 CSAファイルの読み込みにしても、棋譜からの学習のときにCSAファイルを読み込むのにいる程度。 LAN対戦はUSIプ…
前回の問題の解答を。 配列、Board[sq]上に先手玉が二つあるとき、1)〜10)のどこに引っかかるでしょうか。 Bonanzaでは、玉のBitboardというのは存在しなくて(BB_HDKのように他の駒と合成されたBitboardは存在する)、先手玉の位置はSQ_BKINGという変数(実体…
今回はexam_bb(debug.cのなかに書かれている)を見ていきます。exam_bbのbbとはBitboardのことで、Bonanzaの保持しているBitboard盤面の正当性をチェックする関数です。 チェックしている項目は以下のものです。 1) 手番が0か1であること 2) 持ち駒の使ってい…
少し話が脱線してしまいました。 だいたいにして、大学の輪講や、勉強会なんかでは1時間ぐらいでやっちゃうようなことをこのブログでは10回ぐらいに細切れに分けてお送りしております。スローペースすぎてすみません。 毎日10分〜15分程度、こうやって少しず…
Bonanzaでは駒を表現する型はs8(singed char)になっています。 さて、問題です。私のように設計した場合、 -(int)UToCap(move) に相当する部分はどう書けるでしょうか?なるべく速いコードを求みます!http://d.hatena.ne.jp/LS3600/20111001 私が書いたコー…
a) 500手以内に4760局、1000手以内に7294局が終局。(今回の結果) b) 500手以内に5789局、1000手以内に8075局が終局。(前回の結果) 終局数が10%程度減りました。明らかに終局しにくくなっています。 終わらないんです 〜 ランダムプレイヤーは賢くなかった(ひ…
あと、is_move_validのソースコード上で // fromが81未満 == 盤面内の駒の移動 if ( from < nsquare ) { // 動かす駒 piece_move = (int)I2PieceMove(move); if ( turn ) { // 後手ならば // 移動元のところにあるのは後手の駒でなければならない if ( BOARD…
なんか最近、コンピューター将棋界にはモンテカルロブームが到来しているらしいので、モンテカルロ型の探索についてつらつらと書いてみます。 まず、ランダムプレイヤーを実装するとします。ここで言うランダムプレイヤーとは、合法なすべての指し手を生成し…
is_move_validを見ていて思い出したのですが、以前も少し書いたようにCSA読み込み中で合法手かどうかをテストするためにすべての指し手を生成してそのなかの指し手に含まれるかをチェックしているのですが、あの部分、速度的な観点からは、この is_move_vali…
Bonanzaで実装されている主要なvalidatorは次の3つと言えるでしょう。 // valid.c int is_move_valid( tree_t * restrict __ptree__, unsigned int move, int turn ); int exam_tree( const tree_t * restrict ptree ); // debug.c int exam_bb( const tree_…
Bonanzaのコードに致命的なバグが少ないのは、探索木のvalidatorがあることが理由に挙げられると思います。ここで言うvalidatorとは、正当性(状態が正しいかどうか)をチェックする関数のことです。 探索木で言えば、 ・敵陣の1段目に成っていない歩・香が無…
さて、昨日の問題の答えですが、平岡さん(id:hiraoka64)から昨日のコメント欄に解答がありました。詳しくは昨日のコメント欄を見ていただきたく…。 また、他の駒(桂・角・飛)の王手生成についても同様です。さらに言えば昨日のケースではp[0]だけが問題であ…
で、その後は香車の移動先が敵陣かどうかを判定せずに、 香車の成りの手を生成しています。 FLAG_PROMOが成りを表しています。Bonanzaの王手生成(buoyance) http://d.hatena.ne.jp/hiraoka64/20110923/1316747966 そういや、私もそれBonanza 4.12のときに気…
Bonanza以前の評価関数は挟撃形ならば挟撃する側はプラス何点というような評価をしていたわけですが、Bonanzaで導入された3駒関係(KPP)は、それを内包していました。 これと同様に、4〜6駒関係は自動的に重要なさまざまな概念を内包しているということは言え…
Bonanzaの評価関数はプロ棋士の棋譜から学習させていて、入玉模様の棋譜は絶対数が少ないため、入玉模様の将棋は正しく学習できていないというのが定説であります。 しかし、単に教示データが少ないという理由だけであれば、手でドーピングするなり、制約条…
優秀なコンピューター将棋開発者には、自分が作っているコンピューター将棋が正しく評価できない懸案の局面というのがいくつも頭のなかにありまして、まあ、私はいま気になっているのは次の局面のみなのですが、そういう意味では私は「優秀なコンピューター…