クラスター化でどれぐらいRがあがるのか

floodgateで1スレッドと8スレッド走らせてみました。対局数少ないので若干不正確かと思いますが、1t R2376, 8t R2593。R200+差ですね。
(中略)
2.7倍くらいですか。8tといっても4コアのHTなので、ルートN以上出てるといっていいでしょうね。ときどき1を越えたりしてるのは、時間が短いためスレッドのオーバーヘッドが見えたのではないかと思います。


ボナ1thr vs 8thr 比較(A級リーグ指し手1号)
http://aleag.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/1thr-vs-8thr-21.html

4コアで2.7倍出るというのは大変興味深いデータですね。
(8tは4コア4t以下の性能しか出ていない気はしますが。)


ところで、floodgateでの対局数は少なすぎる気はします。floodgateは最初、Rが確定するまで弱い相手としか当たらないのです。1tのほう、18局のうち8局はmattari_yuchan_SHUQIが相手です。これではかなり不正確なデータになっています。


8tのほうも6局はmattari_yuchan_SHUQIであり、また、Gekisashi_Xeon-X5482_1cには、3-2で負け越しています。勝ち越している側のGekisashi_Xeon-X5482_1cのRは2587ですので、長期的にはこれより下がる可能性が高いですね。


あと、floodgateの上位陣にBonanzaが多いので、Bonanza同士だと自己対戦みたいな形になって、わずかでも探索量が上回るほうが大きく勝ち越してしまいます。ちょうどR2400〜R2500ぐらいのところにBonanza家族が生息しているので、ここより勝ち越すか勝ち越さないかでRが二分されてしまうという特徴があるようです。


話を戻しますと、今年はCore i9×3台 = 18コアでの大会出場するチームもあるかも知れませんし、そろそろ、N台(N CPU)で、√Nという仮説から解き放たれるべきときが来ているのかも知れませんね。aki.さんの実験によると、次のようになっています。

スレッド数    2   3   4
時間の比の平均 1.746 2.284 2.463
(参考)√N    1.414 1.732 2.000
(参考)平均/√N 1.23 1.32 1.23


並列探索の効率はsqrt(N)なのかもっとなのか

http://d.hatena.ne.jp/ak11/20090906

どう見ても、√Nよりはずいぶんマシなようです。昨今、コンピュータの速度向上は鈍化していますが、コア数が増えたのはコンピュータ将棋にとって福音だったようです。