fv.binがライブラリではないだなんて、おかしいと思います!

※ 本日の件名↑は、私の意見ではございません。


「Spearがfv.binを同梱している件」*1Bonanzaのfv.bin(評価関数のパラメータ)を自力学習させた場合は、ライブラリ扱いなのかどうか?というのが問題となっていた。


そもそも、何故、ライブラリに含まれるかそうでないかが大きな問題になるのかというと、次の大会(2010年5月開催)ではルールが変更され*2、ライブラリ利用だと予選通過の大きな足枷となるからだ。


プログラムは丸ごと1から書いていても、fv.binというデータファイルを用いるだけで、ライブラリ利用扱いになると予選通過すら出来ない可能性がある。*3


今回の大会では、Bonanzaのfv.binはライブラリ扱いだが、自力学習させたものはライブラリ扱いではないらしい。*4


棋譜からの学習について保木さんから」*5を読めば、自力でfv.binを作るのは簡単だ。これでライブラリ扱いにならないなら、fv.binを利用したい人には幸いだろう。しかしそれならBonanza付属のfv.binもライブラリではないとしてもらえたほうがこのような余計な手間が増えなくて助かると思うのだが…。


とりあえず、次の大会ではfv.bin自力学習組がたくさん出場するのではないかと思う。Bonanzaチルドレンならぬ、fv.binチルドレンである。かく言う私も評価関数の開発のために試行錯誤する時間がとれなければ、最悪、自力学習fv.binか、それに近いもので出場するしかないのだ。


思うに、2次予選ではfv.bin組が半数ぐらいになるのではなかろうか。「ライブラリなんて制度、おかしいと思います!」の次は、「fv.binがライブラリではないだなんて、おかしいと思います!」なんていう意見も出てくるのではなかろうか。fv.binで決勝進出、ましてや優勝なんてしたソフトは、1年間、つめたーい目で見られかねない。


さらに、そのソフトが、プロ棋士と対局の場が設けられて、3番勝負とかでプロ棋士に勝って、コンピュータ将棋史やら人工知能の歴史やらとして学校の教科書に載った際には、「このころのコンピュータ将棋選手権にはライブラリ制度というおかしな制度があって、Bonanzaの評価関数であったfv.binは…」だなんて教師が補足説明したりして。そうなると孫の孫の代まで末永く冷たい目で見られそうな気がする。


もし、万が一、私がfv.binを使って決勝進出なんて事態になっても、どうか皆様におかれましては冷たい目で私のことを見ることのないよう(せめて生暖かい目で見ていただけますよう)に、よろしくお願い申し上げます。