クラウドコンピューティングを用いたコンピュータ将棋の開発

いまどきのコンピュータ将棋は、棋譜からパラメータを学習させなければ上位陣には太刀打ちできない。(らしい)


評価関数としていろいろな関数形を試そうにも、実装 → 学習(場合によっては1ヶ月) → 以前のバージョンなどと自己対戦(細かい変更だと有意差かどうかを判定するのに1000回ぐらい対戦させて勝率を見たい)というTAT(Turn Around Time)があまりにも長いです。


居飛車棋譜からだけ学習させれば居飛車が強くなるのかだとかテストしようと思っても、待ち時間が馬鹿になりません。この待ち時間をどうにかクラウドコンピューティングを用いて解消できないのかと考えます。


例えば、Windows Azureでは、(まだ正式サービスは始まっていませんが)Compute = $0.12 / hourとアナウンスされています。24時間で$2.88、1ヶ月で$86.4です。(ただし、これは1VM当たりでしょうから、実際は、この数倍払わないとCore i7と同等ではないかも知れませんが。)


ともかく、仮に1ヶ月分の計算資源が$86.4で買えると仮定します。これを1ヶ月かけて使用するという話なら、5万円ぐらいの4 coreのパソコンを買っておいたほうがはるかに経済的ですので、そういう使い方はここではしません。この1ヶ月分の計算資源を1時間で使うのです。要するに、$86.4出せば、720台のパソコンを1時間使えるのです。こう考えると、コンピュータ将棋の開発にとってはとても魅力的だと思います。


2000局自己対戦なんていうのも2000台のパソコンで行なえば良いのです。10分切れ負けなら20分で確実にすべての対局が終了するので、2000局分の自己対戦も20分で完了します。お値段は、$86.4に収まります。


クラウドコンピューティングがもう少し安い値段で利用できるようになってくれば、身近に利用できる…のかな。